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相原布沙インタビュー

大丈夫。赤ちゃんもお母さんも、
ありのままでいていいんです

トモイクメンバー インタビュー

子育てに悩むお母さんをサポートすることをミッションとして発足した、「ともいく相談サービス」。
このインタビューでは、トモイクを支えるメンバーの素顔や、サービスに込めた想いに迫っていきます。

保育士歴14年目。保育園で施設長をつとめる相原布沙は、ともいく相談サービスのカウンセラーとしての顔も持ちます。
ともいくとの出会い、保育士を目指すきっかけとなった原体験、そしてカウンセラーをはじめて変化を遂げたこと…。
子どもたちから「ふさせんせい」と呼ばれ、親しまれる彼女に、『子どもとその母親たち』に寄り添い続ける理由を聞いてみました。

目 次

子どもに寄り添える素敵な大人になりたくて、保育士になった

保育士を志したのは、子どもに寄り添える素敵な大人になりたいと思ったからです。

実は、私は子どもの頃に通っていた保育園の担任の先生が、とても苦手でした。怒っていることが多く、一緒に遊ぶというよりも、統率的な指導の要素が強く、怖かったことを覚えています。
ある日、担任の先生に理不尽に感じる怒られ方をしたことがありました。そのとき私は、子ども心に「こんな大人にはなりたくないな」と思いました。
月日は流れ、中学生になった頃、授業で将来の職業について考える機会がありました。
私の頭にぽん、とでてきたのは、保育園時代に先生に怒られた記憶でした。 記憶が消えなかったということは、きっとずっとどこかで気になっていたということですね。
子どもの目線にたったとき、どうしたら一緒に遊べる楽しい大人になれるのかを考え、幼児教育を学べる学校に進学しました。
絵を描くこと、楽器を演奏することが大好きな私にとって、子どもたちと一緒にさまざまなことができる幼児教育は、可能性が無限であるなと感じています。

私が「母親」に寄り添う理由

お子様が生まれると、周囲から突然、自分の名前ではなく「○○ちゃんのママ」と呼ばれるようになる…その現象にどこか寂しさを感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

母である前に、みなさんお一人お一人が素敵な女性です。私は、「お母さん」をひとりの女性として敬意を持って接することを心がけています。
「子どものいない若い先生に、母親の気持ちなんてわからないのでは」という意見をきくことがあります。
私には出産経験がありません。
知りたいしわかりたいけど、出産・子育ての経験がない。そのことに、悩んだこともありました。

けれど、保育の勉強をしてきたし、プライドを持って仕事をやってきました。 なにより、職場でたくさんの子どもをみてきました。
実生活での子育て経験がないことをマイナスに捉えたこともありましたが、いまは、一人一人に興味をもつ、相手の気持ちをわかろうとすることが大事なんだと考えています。
私は、園で保護者と接するとき、幼いころの自分と母をイメージすることがあります。
子どものころの私にとって、母が笑顔な時は嬉しかったし、不機嫌な時は悲しかった。
それはきっと、私に限ったことではなく、どの子どもも一緒なんだと思うんです。
だから私は、お母さんが笑顔でいられるように、日々寄り添い続けています。

カウンセラー活動のきっかけ

社内で(相原が施設長をつとめる保育園は、トモイク代表の竹村が運営しています)ともいく相談サービスの話が出る前から、保育カウンセラーの資格に興味をもっていました。
最近の保育では、保護者の支援が大事にされています。
現場で仕事をするなかでも、傾聴力は大事になってくると感じていて、スキル、知識を身に着けたいことを竹村社長に相談しました。

ちょうど、ともいく相談サービス立ち上げ時期だったこともあって、竹村社長からカウンセラーとしての参加の打診をいただき、カウンセラーとしての活動をはじめました。

カウンセリングの学びで得た2つの変化

以前は、保護者に伝えたいことがあるのに上手に伝えられる言葉が見つからず、もどかしい思いをすることがありました。
カウンセリングの勉強をはじめてからは、臨床心理士に、保護者ひとりひとりにフォーカスしたかかわり方、話し方や、文章での伝え方の指導をうけることで、腑に落ちていきました。

カウンセリングの勉強をはじめたことで、変化は2つありました。
まずは、オンライン相談での対話です。
お話の仕方に気を付けることによって、相談者であるお母さんが心を開いてくださることがあります。
最初は表面的なご相談からはじまり、じょじょに悩みを打ち明けてくださる…、といったケースでは、オンラインでも心が近くなるように感じます。

そしてもうひとつ、変化は保育園の連絡帳にもあらわれました。 伝えたいことを言語化すること。お母さんへの労わりの気持ちを添えること。 実際、文章を書くテクニックが身についたのは、大きかったと思います。 私たちの園でも連絡帳をとおした保護者への優しい声がけが浸透していくといい。そう考えて、現場の先生が連絡帳を書くときの指導にもあたっています。

子育て中のお母さんへ。いつでもお話聞きますよ

赤ちゃんが何故か泣きやまない、離乳食を食べない…。
悩みごとを検索するのは今の時代すぐにできますし、サイトも様々あると思います。

ともいく相談サービスは、お母さん自身にフォーカスして寄り添いながら子育てを応援できる。お母さんを気持ちの面でひとりにしない。現代薄れている近所の人が子どもを気にかけてくれるような環境に似た、心あたたかなものを感じています。
育児相談は、オンライン上ではありますが、お母さん自身にフォーカスすることで直接お話しているような感覚になりました。身近でエールを送っているような、そんな感覚です。

子育ては、物的な環境よりもお母さんが安心して過ごせる「心」の環境が大切だと改めて気づきました。
お母さん、そして子育てにかかわる人々が、安心して気軽に話せる場所になりたいと思っています。
毎日本当にお疲れ様です。めんどくさい時、泣きたい時、楽しい時、嬉しい時、赤ちゃんもお母さんもありのままでいていいんです。いつでもお話聞きますよ。

相原布沙プロフィール

Profile

相原布沙

幼児教育学科の短大を卒業後、ベビーホーム、幼稚園、保育園、こども園など様々な保育形態の現場で保育経験を積む。
現在、もしもしのほし高円寺保育園で施設長を務めている。