悩みをもつひとの心が
少しでも軽くなることを願っています
トモイクメンバー インタビュー
子育てに悩むお母さんをサポートすることをミッションとして発足した、「ともいく相談サービス」。
このインタビューでは、トモイクを支えるメンバーの素顔や、サービスに込めた想いに迫っていきます。
年の離れた3児を育てながら、クリエーティブ職に携わり続けている舩木展子さん。コミュニケーションデザイナーとして活躍を遂げながらも、子育てにひとり悩んだこともあるといいます。舩木さんの子育て環境や子育てへの想いとは。そしてトモイクの子育て相談事業へのかかわりを通じて、「『いま』子育てに悩んでいるお母さんたち」に伝えたいことについてお話を伺いました。
子どものケガが事業立ち上げのきっかけに
トモイク株式会社代表の竹村さんとは、前職でお仕事のつながりがあったため、お声がけいただきました。
トモイクには2022年の春に参加して、メディアのコンセプトワークやアドバイザーの役割を担っています。
私自身もそうでしたが、子どもが生まれた瞬間から、母親の世界は変わってしまいます。
それまでの生活から一変して、「こんなこと聞いてないよ」といった出来事の連続だったりもします。
お母さんは、どうしても赤ちゃん一筋になりがちです。
それでもまだ仕事をしている人は、仕事場にいけば気分転換ができたりもしますけど、そうじゃない人やそうじゃない時期は、自分でもなかなか客観視できなかったり、思いつめてストレスがたまってしまうこともあると思うんです。
そんな時、ふだんとはちがうチャネルがあるほうが、ガス抜きができます。
チャネルを変えるという意味で、トモイクサービスを使うのも、ひとつの手段です。
ともいく相談サービスを通じて、一人でも多くのお母さんや子育てに不安をもつ人たちの心を軽くすることができるよう願っています。
仕事現場で育てた3人の息子
私が最初の子どもを産んだ19年前は、まだまだ妊娠・出産・子育ては当事者の女性だけのテーマで、小さな子どもを抱えながら仕事を続けることは周囲の理解が必要な時代でした。
広告代理店のクリエーティブ職でそれまで昼夜なく働いていた私は同業の夫と話し合い、出産後の働き方をどうすべきかいろいろと考えを巡らせた結果、仕事と子育てをできるだけシームレスにしてみようと決めました。
子どもが赤ちゃんのころから可能な限り現場に連れて行き、授乳しながらミーティングや制作作業をしたり出張にも連れて行ったり、少し大きくなってからは目の届く範囲で遊ばせたり宿題をさせたりしながら、仕事の環境と子育ての環境を混ぜていきました。
在宅勤務もまだ一般的ではなかったですが、夕方以降の子どもを置いて出られない時間帯は自宅にスタッフに来てもらって、夜な夜な作業をしていました。来ていただく分、夜食を用意して食べながら作業したり、打ち上げなどの集まりも頻繁にやったり。
こういうスタイルで3人の息子を仕事の現場で育ててきたので、私たちの仕事仲間はみんな息子たちを知ってくれていて、中には親や親戚とはちがう「ナナメの大人」としていい友人でいてくれる人もいます。
私たちの職種特有のオープンな文化や、みなさんの協力に恵まれてここまで来ているので、こうしたやり方がどなたにも適用できるわけではないことは承知していますが、たくさんの大人が子育てに関わることーーたとえそれが「ちょっと手を貸す」「ちょっと見ていてあげる」程度のことでもーーがふつうのことになっていくと、もっと子どもが育ちやすい社会になる気がします。
『ナナメの大人』と子どもたちの関係
家を仕事場にしているので、我が家にはいつもいろんな大人が出入りしています。
我が家の子どもたちにとって、家に知らない大人がいるのが普通になっています。
なかには、子どもと遊んでくれる人もいます。
現在、長男は大学生になりましたが、生まれた頃から知ってくれている大人がたくさんいて、それぞれの経歴と重ね合わせながらいろんなアドバイスをしてくれるので、みんなに育ててもらっているという印象です。
赤ちゃんの頃は、おもにそばにいる親が命をあずかっているのは確かだと思いますが、ある程度自立して成長する段階になってくれば、親に依存し続けて、子どもにとって「親が世界」になってしまうのは良くないと思っています。
親が世界なわけがないんです。だって私は私でしかないから、言えることもできることも限られている。そんなものを世界だと信じてほしくありません。もっとぜんぜんちがう、優れた大人や変わった大人、いろいろなタイプの大人の姿を見たほうがいいと考えています。
我が家は幸いいろんな人がきてくださるので、長男が留学する時も、知人が相談にのってくれていました。留学経験のない私ではできなかった助言です。
また、親に言いにくい話も、直接つながった私の仕事仲間に電話やLINEで相談したりすることもあるようです。
そんな背景もあって、子どもに、親でも親戚でもない「ナナメの大人」を増やしてあげるのは、いろんな意味で良いことかなと思っています。
「ぜんぶ自分がやらないと」なんて思わなくて大丈夫
日本のお母さんたちは、まだまだ人に頼ることが下手なのだと思います。
妊娠・出産・子育てを必要以上に「自分の仕事」と思っているためもあるし、上手にこなす人の姿がネット上に溢れている情報環境もそれを助長しています。
でも「ぜんぶ自分がやらないといけない」なんて思わなくて大丈夫です。
手助けしてくれる人はいるし、なにより、子ども自身に生きていく力があるからです。
なかには何がつらいのかうまく言語化できない悩みもあると思いますが、ひとつひとつ話しながら気持ちを吐き出きだしてみるだけでも、ものの見方が変わり、楽になるかもしれません。
あなたの手助けをしたい人はたくさんいます
妊娠・出産・子育ては、もはやお母さんだけのものではありません。
助けになるなら協力したいと思っている人が周囲にたくさんいることを多くの方に知ってほしいです。
妊娠・出産・子育ては、ハッピーなテーマであると同時に、戸惑うこともたくさんあるし、表には出せないようなネガティブなことも起こりうるテーマです。
でもそれがふつうで、いつも笑顔で幸福そうでなきゃいけないと思う必要はぜんぜんないです。
私自身も、現在進行形で、泣きたいことや怒りがおさまらないことや情けないことの連続です。
トモイクにはそんな気持ちに共感し、手助けをしたいと思っている人たちがたくさんいます。
ひとりで悩む前に、共育スペシャリスト*に一言声をかけてみてください。
ふだん顔を合わせる人には言いづらいことも、相談できる人に、ともいく相談サービスならきっと出会うことができますよ。
心理学の知識を身につけ、育児相談をおこなう、保育士や助産師などの資格を有した育児専門家のこと。
Profile
舩木展子
電通のクリエーティブ職を経て、昨年からは福岡のIT企業にリモート勤務しながらクリエーティブの仕事を継続中。現在、19、13、8歳の息子3人がいる。